2022年11月の定例会は、「事業承継してみた」とのタイトルで、事業承継研究会のメンバーに講演していただきました。
中郡久雄会員の司会進行のもと、染谷勝彦会員、城川雅晶会員、柳田覚会員に事業承継の実体験を発表していただき、鈴木健彦会員に解説のコメントをしていただきました。
染谷会員からは、承継した文具店の創業からの歴史や事業内容、中小企業診断士の受験勉強をしている中で気づいた経営上の問題点、現在の状況について説明していただきました。
城川会員からは、突然、家業の飲食店の事業承継をすることとなった経緯やご家族が一丸となって短期間で親族内承継を実行したことなどを説明していただきました。
柳田会員からは、親子3代にわたる電子部品製造会社の創業からの歴史や承継することとなったきっかけ、歴史ある企業の承継で課題となりやすい株式の分散、資産の権利関係の複雑化や利活用方法の変化などについて説明していただきました。
続いて、中郡会員からの以下の質問について、パネルディスカッションをしました。
①事業承継が成功だったか、失敗だったか?その要因は何か?
②承継を始める前には想像していなかった出来事は何か?
③事業承継の苦労は何か?
質問①については、3人の発表者とも、現在も事業が続いていることから、一概に「成功」、「失敗」と結論付ける段階にはないとの回答でした。
3人の回答には、事業承継が経営のバトンタッチだけの問題ではなく、承継を受けた経営者にとっては、様々な問題や課題と向き合う日々の始まりであるということが如実に表れていました。
鈴木会員からは、「事業承継」といっても、承継対象となった企業の状況やライフサイクルなどによって様々なパターンがあり、承継の目的や目標次第で「成功」か「失敗」かの評価は分かれ得るのではないかとの重要な示唆がありました。
質問②や③については、業績や従業員との関係など、事業承継をした企業に限らず、多くの企業で問題となる経営上の課題や問題点について、実体験をもとにお話ししていただきました。
実際に事業承継を経験した3人の発表者から、実体験を基にした具体的かつ現実味のあるお話をしていただき、事業承継の当事者の悩みや問題意識の一端を知ることができるとともに、パネルディスカッションも充実した内容で大変勉強になりました。
染谷会員、城川会員、柳田会員、中郡会員、鈴木会員、ありがとうございました。