2022年4月度の定例会は、須々田智昭会員による企画『実務経験者が語る、M&AとPMIのリアルケース』を開催しました。今回もZoomによる開催でしたが、100名を超える多くの方にご参加いただきました。(なお、案件の機密性が高いため、個別具体的な名称や取り組みは本議事録から除外しています。)
須々田会員はホテル運営会社にて経理や経営企画を経験し、MBAや中小企業診断士を取得するなど幅広くご活躍されています。今回は実際に須々田会員が携わったM&AやPMIの事例をご紹介頂きました。
まずM&Aの一般論と本事例の概要を説明頂きました。
その後M&Aのメリットを実際の買い手側としてはどのように考えていたかをご説明いただきました。
一般的なM&Aは戦略策定から始まり、ターゲット選定(ロングリストやショートリスト)、デューデリジェンス(DD)などが行われていきます。しかし、本事例においてはターゲット選定が先にあり、デューデリジェンスやバリュエーションが複数回行われていました。そのため、ターゲット選定から統合(PMI)までおよそ1年の期間を要したとのことです。
また、デューデリジェンスは大きく8つの領域で行われたそうです。デューデリジェンスの回数を重ねるごとに公開される情報が増える一方、人事の領域に関しては開示される部分が少なく苦労されたとのことです。
M&Aにおいては情報管理体制が非常に重要であり、社内において買収対象となる会社をコードネームで呼ぶなど徹底した管理を行ったそうです。
買収後のPMI(経営統合マネジメント)では、売上主義から利益主義などへの転換や役職呼称の廃止など、様々な取り組みをしたとのことです。
実際にはフレームワークに沿ってブレインストーミングを行い施策を考え、定例会ではそれらをまとめて7Sという形でご紹介いただきました。
最後にM&AやPMIを通じた学びをご紹介頂き、定例会は終了となりました。
本日は須々田会員よりM&AやPMIについて、実際の経験をもとにご説明いただきました。本事例は大規模な案件でありましたが、中小企業におけるM&Aにおいても通じる部分があると感じました。ご講演いただきありがとうございました。