2016年2月度の定例会についてご報告致します。
2月度の定例会は、中小企業政策研究会会員の西岡邦彦さんの提案企画として、『「夢の国」に学ぶ価値提供』というテーマで開催されました。
最初に、株式会社オリエンタルランド(A社)に出向されていた経験のある西岡会員により、A社では「理念や提供価値が明確であること」、「従業員がその理念に共感し日々実践していること」、「従業員満足を高める様々な取り組みがなされていること」、「従業員が高い士気で顧客へ価値提供していること」、「理念への共感、従業員満足(ES)が顧客満足(CS)につながっていること」、「A社は、従業員やその家族、そして顧客、取引先、地域を大切にし、それが結果として株主に報いることとなっているという意味で、まさに、坂本光司先生の提唱されている『人を大切にする経営』の実践企業であると言えるのではないか」など同会員が感じたこと等について、お話をいただきました。
次に、A社よりお越しになった講師のBさんにより、①A社の歴史、②A社の今後、③人事の取り組み、といった内容でご講演いただきました。
①A社の歴史では、「人々に幸福を与え、おとなも子どもも楽しめる場所」というウォルト・ディズニーの夢を日本の子どもたちにも見せたいとの創業者の思いや、その夢を実現させる過程での埋立て等のご苦労や本物のテーマパークを造ろうという信念、構想から実現までに息の長い事業であること等について触れられ、②A社の今後では、「2023年ありたい姿」に向けて、テーマパーク価値の最大化に向けた投資として、キャパシティ拡大やパークオペレーション力の強化等、現在の取り組みについて触れられました。
そして、③人事の取り組みでは、正社員、テーマパーク社員(契約社員)、準社員(アルバイト)、それぞれについての取り組みをご説明いただきました。
社員については、企業理念、採用、評価、昇格等を一気通貫させて繋がりを持たせていくための取り組み等を、テーマパーク社員については、オペレーション力、ホスピタリティの更なる向上を目的とした雇用形態の変更の取り組み等をご紹介されました。
準社員については、その大事にすべきものとして、またその大事にする順番としてSCSE(Safety、Courtesy、Show、Efficiency)があり、教育の重要な部分となっていることのご紹介を、その実例やアイコンタクトゲームなどを交えてご紹介されましたが、聴いているみなさんも実感を持って感じられていたようでした。
また、モチベーション向上策として、アイデアを従業員が自由に提案できる制度(「I have アイデア」)やそれに基づき実際にパークで提供される商品が生み出されたことが紹介され、その他にも、キャスト同士がお互いの素晴らしい行動をたたえ合うためにメッセージを送り、アワード受賞者には、同僚が祝福する特別の舞台で表彰式を行う取り組み(「スピリット・オブ・東京ディズニーリゾート」)などA社のユニークな数々の施策についてのご紹介がされました。
90人を超える参加者による会場の熱気は、質疑応答に至っても冷めず、さまざまな質問が途切れることなく寄せられるほど活発で、本企画への関心の高さを示すものでした。
本企画はA社の取り組みを通じて、会員があらためて人財の大切さに目を向ける良い機会となりましたが、実際に「普段聞けない話が聞けた」、「変革の取り組みは多いに参考になった」「従業員と出向者の両方の話が聞けて良かった」等の声が寄せられ、非常に満足度の高い定例会となりました。
【今後の定例会日程】詳細は後日掲載いたします。
3月度定例会 3月15日(火)19:00~21:00予定
テーマ名:クラウドファンディングで1000万円資金調達
4月度定例会 4月12日(火)19:00~21:00予定
テーマ名:素敵!といわれる話し方になれる秘訣
以上