2018年4月度の定例会についてご報告いたします。
4月度定例会は、石田紀彦会員の企画として『実演!「売れる商品写真」の撮り方』と題して、講演を行っていただきました。
■中小企業の売上を写真の力で向上させたい
カメラマン×中小企業診断士というコンサルティング業界の中でも稀有なポジショニングで独自性を発揮されている石田会員。ご自身の中小企業診断士としてのミッションを「写真の力で中小企業の売上に寄与すること」と位置付けています。
本講演では、きれいな写真を撮ること、ではなく、売れる写真を撮ることに焦点を当て、売れる写真とはどのような写真なのか、具体的な撮影技術やアンケート調査に基づいた検証、ご自身のコンサルティング実務における事例をご紹介いただきました。
■「プロっぽい」写真の撮影技法
最初は、技術と機材の側面から、比較的予算が限られる中小企業が、いわゆる「プロっぽい写真」を撮るためのコツのご紹介でした。
撮影技術にはいくつかのポイントがあり、そのセオリーを押さえれば一定レベルに達することが可能です。また、かつては高価だった撮影機材も近年では安価な機材が普及しています。そのため、素人でも「プロっぽい写真」が撮れることを具体的に撮影方法や機材の紹介を交えてご説明いただきました。
実演ではNGの撮り方から良い撮り方まで、その場で実際に撮影し、低コストで実現できるテクニックも披露いただきました。最後に撮影された「プロっぽい写真」の出来栄えには会場からも「さすが!」と歓声が上がりました。
■「顧客目線」のストーリー提供
石田会員によると、写真は撮影技術とマーケティング、自社コンセプトが揃って始めてプロモーション機能が発揮されます。これまでご自身が検証してきた様々な統計やアンケート結果のご紹介を通じて、写真の訴求ポイントがターゲットや商品毎に異なるという独自の興味深い理論を展開されました。また、商業写真では、非計画購買やブランディングなどのプロモーションの目的に応じて、「顧客の目線」に立ったストーリー性のある情報提供が大切である、とのご意見は非常に説得力を持つものでした。
■支援事例 売上高220%達成
最後に、石田会員の持論を企業支援の現場で実証した事例をご紹介いただきました。本事例では、売店の売上アップを目標に、商品毎に売上や粗利の実績データの分析から売り込み商品の優先順位を決め、現場視察によりターゲット特性の把握、購買行動を踏まえたプロモーション活動を実施するなど様々な興味深い取り組みをされていることが印象的でした。また、新商品の提案など、写真提供に止まらない、一歩踏み込んだ総合的な事業支援に感銘を受けました。
この取り組みの結果、なんと一部の商品では単価を上げたにも関わらず販売量が増加し、前年比220%もの売上アップを達成されたとのことです。
■最後に
最後の締めでは、石田会員よりすべての中小企業に売れる写真のノウハウを広めたいという志が述べられました。さらなる知見を蓄積して、そのノウハウを政策研の会員と共に中小企業全体へ広めていきたいとの姿勢には会員一同が共感し、講演終了後、会場は大きな拍手に包まれました。