2018年3月度の定例会についてご報告いたします。
3月度定例会は、企業内診断士の輪を広げる「楽しい」チームの企画として『本当はどうなの?企業内診断士【副業の実態】隠さず見せます!』と題して、講演を行っていただきました。
講演ではまず「副業って実際どうなの??」というテーマで三木会員より、中小企業診断士の副業の現状の紹介がされました。
診断士の副業の定義として、報酬があり、診断士の労働があり、雇用関係がないものと定義されました。その後、社会的な副業の現状として、一般的な副業の種類や企業の動向が紹介されました。
中小企業診断士になると、診断士向けの仕事の機会という「武器」が得られ、「防具」として副業での報酬を処理する方法が必要となることが紹介されました。
副業の実態
第1部の「副業の種類・やり方」は、総勢135名回答によるアンケート結果をもとに中郡会員より発表されました。診断士の副業を「診る」「書く」「話す」「その他」の4つに分類し、副業の種類が紹介されました。
「診る」は補助金関連や経営診断が主で、先輩診断士など診断士同士の横のつながりでおこなわれることが中心のようです。
「書く」は単価があらかじめ決まっており、空き時間を活用でき企業内診断士の経験者も多い副業となっていました。
「話す」は講師などの副業で、単価がバラバラであり実績が求められ、研究会やプロコン塾などで経験を積むことが求められるようです。
第2部の「会社や周囲の人への対策」は、久保会員より発表されました。
統計資料をもとに、企業の副業に対する姿勢や企業メリット、就業規則の実態、副業を行う際の注意点などが紹介されました。
就業規則では、企業内チームのメンバーの所属する企業の就業規則を実例として取り上げ、「全面禁止はない」「規則上は会社の承認があれば認めるというスタンス」が共通する内容であるとういう説明がありました。
周囲の人への対策として、就業規則や法律に関わらず、会社や家族など周囲の人の理解がなによりも大事であり、本業優先の姿勢と家族の理解を得るためにも家族サービスの維持・向上が必須であると紹介されました。
第3部の「知っておきたい税への対策」は、井上会員より発表されました。
中小診子(ちゅうしょうみるこ)さんという架空の診断士の例を用いて、確定申告のやり方やしくみを解説されました。
確定申告をする中で出てきた、還付や源泉徴収、白色申告や青色申告、雑所得や事業所得、それらの違いや特徴などが説明されました。
確定申告をするかしないか、白色申告にするか青色申告にするかなど、副業で得られる金額や個人の状況によって異なるので、一概には線引きが難しいことが紹介されました。
セキララ座談会
後半は、三海泰良氏、横山加代子会員、岸本慎介氏の3名による座談会が開催され,会場で集めたアンケートに3名が答えていく形で進行していきました。
三海泰良氏は個人事務所を開業し、執筆、創業スクール講師、経営支援などでご活躍中です。
横山加代子会員は副業企業し、クラウドファンディングを活用したbiz+uリュックの企画・販売を行っております。
岸本慎介氏は勤務先の副業解禁に合わせて、昨年個人事業主として開業しました。
どのような副業をしている?一番おもしろかった副業は?という質問に対しては、
三海氏「おもしろいは達成感とイコールになる。達成感はチャレンジ+評価。具体的に言えば創業スクールがそれにあたりました。」
横山会員「ビジネスリュックの製造販売。診断士として、事業の経験をしてみたかったと前々から考えていたけれど、自分の欲しいカバンがなかったのがやろうと思ったキッカケでした。取材記事執筆で普段会えない人と会えるのと、紙媒体になることで達成感を味わえました。」
岸本氏「創業支援補助金では、いろんな創業をみることができた。Web記事の執筆では、自分が執筆したものを人に見てもらえるのがおもしろいと思いました。やってみたいことではありますが、自主出版でない形で本を書いてみたいと思っています。」
との回答をいただきました。その後は、実際の収入の話はどこまで経費に入れているかなど、参加者が本当に気になる部分の質問に対しても、表題の通りセキララに語っていただきました。
座談会の最後には、中小企業診断士について、これから副業を始める人へメッセージを送っていただきました。
三海氏「まずは動くこと!イーロン・マスクいわく「何か失敗していないのなら、イノベーションをしていない」失敗をおそれず、何かやり始めてみてはいかがでしょうか?」
横山会員「中小企業診断士は中小企業の社長、経営者と話すと、頭でっかちになりがち。「何を言っていたかわからなかった」と言われないように、上から目線にならないように、なにか事業をやってみるのはとてもいい経験になります。日本の経営者を応援して!」
岸本氏「特に合格したての方へは、研究会をいくつか入ってみてください。私は仕事の機会は研究会・支部活動で得られることが多かった。積極的に顔を出して、小さくても仕事をいただいて、実績を積み重ねていくことが重要です!」
終了時間が迫る中でもセキララに語っていただいたパネラーの方への感謝とともに、もっとお話をきいてみたいという気持ちは、座談会の終了とともに大きな拍手に変換され会場を包み込みました。
新入会員の方も多く集まり、参加者が80名を超えた3月定例会は、参加人数だけでなく拍手の大きさで興味関心の高さを表していたと思われます。
中小企業政策研究会では引き続き新入会員を募集しております。中小企業政策研究会は試験に合格された方であれば、診断士登録をされていなくても入会できます。入会をご希望される方は定例会にご参加いただき、入会手続きを行ってください。皆様のご参加をお待ちしております