2017年度9月定例会 活動報告

2017年9月度の定例会についてご報告致します。

 

9月度定例会は、ビジネスモデルカフェ、田原弘貴会員、日景聡会員の企画として、『ビジネスが180度変わる!?最もアツイ「ブロックチェーン」の姿』と題して、講演を行っていただきました。

 

講演は田原会員のブロックチェーンが描く未来をメインテーマにした講演に始まり、日景会員のブロックチェーンの仕組みの解説、現在とブロックチェーンが導入された将来のビジネスモデルの変化へと講演が進んでいきました。

 

ブロックチェーンが描く未来

講演の前半では、田原会員よりブロックチェーンとは、「記録」と「承認」の革命であると紹介されました。
登記や戸籍、銀行口座からの入出金や買い物など、他者との重要なやり取りには「記録」が必要とされ、「記録」は「承認」されて完成される。
その「記録」と「承認」のプロセスをブロックチェーンに置き換えることで起こりうる未来の姿を4つの視点から紹介、解説されました。

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1つ目が、アイデンティティの記録による、ブロックチェーン国家の誕生です。実際にIT立国化を進めているエストニアの事例を取り上げ、未来の国家のカタチがどのようになっていくかの可能性が示されました。
2つ目は、お金の流れの記録による自動化される決済です。人による確認が必要な従来の送金と異なり、送金情報が自動で記録されるため個人に直接支払うことも可能であり、手数料が限りなく0円に近づく未来の実現性を感じました。
3つ目は、履歴を記録することによる、情報の非対称性の消滅です。業務実績や個人情報の変更や使用の履歴が記録されるので、情報の管理者と利用者の間での情報の非対称性が解消され、公平な評価がなされる社会について解説されました。
4つ目は、システムのシンプル化と分散管理による、システムの強化です。承認機関への依存が解消されるので、承認機関が複数絡み合う複雑なシステムの簡略化が可能となります。記録と承認の情報を分散管理しているため、サーバに依存するシステムに比べて、強固なシステムが構築される未来を紹介されました。

 

ブロックチェーンの姿

講演の後半は、日景会員より『ビジネスが180度変わる!?最もアツイ「ブロックチェーン」の姿』ミドル?シニア?から見てみた…と題し、ブロックチェーンの種類や特徴、ブロックチェーン導入によるビジネスモデルの進化について解説されました。
ブロックチェーンの特徴として、分散型の技術であり集中型と比較して改ざんが困難で、実質ゼロ・ダウンタイムなシステムを、安価に構築可能であることが紹介されました。
ブロックチェーンの種類には、パブリック型、コンソーシアム型、プライベート型と大別され、それぞれの利用用途や規模などの違いにより承認手順や処理できる容量が異なるとのことです。
ビジネスモデルの進化として、中古車販売、著作権ビジネス、自動車製造の流れの3つのモデル事例について、ピクト図解を用いて解説されました。いずれもブロックチェーンの特徴により、情報の信頼性を向上させ、ビジネスモデルを変化させたりトレサビリティーに活用したりとビジネスに与えるインパクトの大きさを物語っていました。
品質記録や業績を記録できるため、中小企業であっても製品や企業を公平に評価されて、大企業とも対等に契約できる可能性があります。しかし、モデル事例の中での完成車メーカーや世界的な巨大IT企業など、プラットフォームを持つ強大な企業が市場を牛耳ってしまい、囲い込みが強くなり、その企業の仕組みの中での取引を強制される可能性があるなど、使われ方次第ではリスクになることが示されました。

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講演の最後には質疑応答が設けられましたが、質問の挙手が切れることなく、参加者の関心の高さを伺わせる光景となりました。時間をオーバーしても質問が続き、会場の関係上、質問に制限を加えざるを得ないほどで、講演後には、ブロックチェーンの世の中に与えるインパクトにも引けを取らない大きな拍手が会場でわき起こりました。

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