2017年2月度の定例会についてご報告致します。
2月度定例会は、中小企業政策研究会のPIT(実践IT研究会)の代表を務める村上知也会員の企画として『マイクロソフトオフィスのパワーポイントで書類の作成力アップ』と題して、講演を行っていただきました。中小企業診断士が使用する機会が多いものの個人の実力差が大きいパワーポイントのより良い使い方や表現の仕方について、100枚以上のスライドを使用して使用例や操作方法を実演しながら話は進み、パワーポイント術に関心を持つ70名近い会員が集まりました。
講演は配布資料に記載された40項目のチェックリストに基づき進みました。前半はパワーポイント作成術で評判が高い村上会員が図形の書式設定、フォントの統一、色、数字や単位など30項目以上の点についてどのように注意・工夫しているか、村上会員の推薦書籍である森重湧太著『一生使える見やすい資料のデザイン入門』(インプレス,2016)と高橋佑磨・片山なつ著『伝わるデザインの基本 増補改訂版 よい資料を作るためのレイアウトのルール』(技術評論社,2016)の紹介、後半は村上会員自身が診断報告書、セミナー資料、プレゼン資料、チラシなどを用途別にどのように作成しているか実際のスライドを画面で見ながら話を伺いました。
自由度の高いパワーポイント
冒頭には、マイクロソフトオフィスのライセンス体系の説明、文章を書く枠が決まっているワードと自由に書けるパワーポイントの違い、パワーポイントがいかに進化してドロー系やイラスト系のデザインソフトのような使い方ができるのか説明がありました。PITの安藤会員がパワーポイントで描いた浮世絵師葛飾北斎の作品「赤富士」の模写が紹介された時には出席していた会員一同、完成度の高さに息をのみました。またその後もPITのホームページ(http://pit.bz/nigaoe/)にも掲載された高森会員による舛添要一氏のイラストの描き方や和集合の機能を使用してマップを作成する方法などが紹介され、パワーポイントの用途の広さや自由度の高さを実感しました。
パワーポイント作成時のコツ
まずデザインは資料の用途に応じた使い分けが必要であるという作成にあたっての姿勢や、初期設定を変更して「マスタースライド」を活用することにより村上会員は「セミナー用」「診断書報告書用」「白紙」と3種類のテンプレートを保存している大枠の話がありました。その後、具体的なパワーポイントの操作方法やどうすれば見やすいのか見にくいのか、実際の画面を見ながら説明があり、パワーポイント初心者にもわかりやすく解説が進みました。
チラシ作成など用途別のポイント
後半では、村上会員がパワーポイントで作成したチラシ、診断報告書やセミナー資料を実際に画面で見せながら、それぞれの用途別にどのように工夫しているか紹介がありました。販促物が全くない企業に対してパワーポイントでチラシを作成する場合のテクニックについては、パワーポイントとプリンタの双方の設定により余白をなくすこと、デザイン性が高いフリーフォントでも商用使用可能なものがあること、必要な写真は購入すること、テンプレートサイトを活用することなどが紹介されました。診断報告書については、チラシと異なり落ち着いたトーンのデザインであるものの、視覚的にどのように報告内容をわかりやすく訴えているかが紹介されました。またセミナー資料作成においては、Kindleやマインドマップをいかに活用しているかが紹介され、資料作成にあたりセミナーコンテンツをどのように整理すれば良いのか大変参考となる内容でした。
2017年1月から入会した新入会員も多く参加した2月度の定例会は、村上会員の体験も交えながら進み、時折会場から笑い声が上がる盛り上がりを見せました。
中小企業政策研究会では引き続き新入会員を募集しております。中小企業政策研究会は試験に合格された方であれば、診断士登録をされていなくても入会できます。入会をご希望される方は定例会にご参加いただき、入会手続きを行ってください。皆様のご参加をお待ちしております。