10月定例会は独立診断士の小田恭央会員、村上知也会員、花畑裕香会員の企画「政策研新旧チームリーダーが語る!独立診断士3人がどうやって独立したか」をテーマに、
事前に集めた会員からの質問に対し、3名の会員がパネルディスカッション形式で回答するという会でした。
■パネラー紹介
〇小田恭央会員
大手電機メーカー、ITコンサル会社を経て独立。独立当初はITコンサルをメインに受注。現在は産学官連携や書籍の出版、アニメ関係など幅広い分野で活躍中。
〇村上知也会員
大手SIerを経て独立。診断士予備校の講師に加え中小企業施策に基づいたコンサル、専門家派遣、セミナー講師業などで活躍中
〇花畑裕香会員
会社員、診断士養成課程を経て独立。現在は2人の子育てと両立しながら、大学院特任講師や企業のマーケティング支援などで活躍中。
■パネルディスカッション
Q1.独立前の準備や、人的コネクションのつくり方について教えてください。
村上「営業活動はしていませんでしたが、独立に備えて先輩や公的機関の人と知り合うことを大切にしておりました。受験生時代を含めた人のつながりは大きいですね。」
小田「書籍の執筆を行ってました。自ら営業活動をすることは少ないですが、書籍を出していると、そこから問い合わせが来て仕事に繋がることが多いですね。」
花畑「大学院での養成課程が独立の準備期間と考えてました。地域ブランド向上業務に関わることができ、専門的に勉強したことで今後の仕事に繋がりました。
また独立後に大学院の教授や先輩との繋がりから、公的機関の窓口の仕事をいただくことができました。」
Q2.独立のきっかけについて教えてください。
村上「私は受験勉強期間から独立する意識が強かったですね。診断士になった後、先輩から独立しないと受注が難しい仕事をいただいたことで、決意しました。」
花畑「会社員時代から生活を変えたいと思っており、30歳を契機に『生活・子育てできるのか?』と考えて、もう少し時間をコントロールできる仕事したいと思いました。
また企業の社長の手伝いがしたいという気持ちが強かったですね。そのような理由から診断士の勉強期間に独立を決めていました。」
小田「私は同じ仕事をしていると飽きやすいので独立しました(笑)。今でも飽きると新しい仕事を探しており、今新たに取り組んでいる産学官連携の仕事もその一環です。」
Q3.独立時の貯蓄はどれくらいありましたか?
村上「SIerの退職金が入ったため、それなりにありました。」
花畑「私は旦那のお金で大学院入学させてもらったのでマイナスでした(泣)。」
小田「私は物欲も無く、安い賃貸アパートに住んでおり、蓄えがありました。」
Q4.年収の推移について教えてください。
村上「独立して3年目には会社員時代の年収は確保できました。会社員時代の1.5倍くらいはありますね。」
花畑「私も村上さんと同じで、現在は会社員時代の1.5倍くらいですね。ただ出産が重なった時は大幅に落ち込みました。」
小田「私は独立当初にITコンサルをしていた時代が最も高かったです。今は年収よりも、アニメ関係など自身の好きな仕事に時間を費やしています。」
Q5.現在はどのように仕事の情報を収集し、獲得しておりますか?
村上「公的機関の窓口相談員に応募したり、診断協会の繋がりで仕事の情報を収集しています。」
花畑「私も公的機関の公募と検索しますね。毎年2月頃が多く、その時期に探すと意外と募集している機関を見つけることがありますね。」
小田「書籍の企画書を書いて出版社に提案しています。少し前のクラウドファウンディングなど、誰もやっていない分野の書籍の企画は通りやすいですね。
冒頭にも言いましたが、書籍を出していると、そこから問い合わせが入って仕事に繋がることがあります。
ちなみに他の診断士では『ものづくり補助金』などの申請支援をやっている方は稼いでいると思いますよ。」
Q6.受注単価上げるコツはありますか?
村上「公的機関の仕事は単価が決まっており厳しいですが、付加価値提案をすることで、上げてもらったことがあります。
地方で単なる講演依頼をいただいた際に、経営者相談会のセット開催を提案することで単価を上げてもらいました。」
花畑「確かに公的機関の単価は変わりませんね。コツは難しいですが、民間企業は成果を出せば上がっていきますね。」
小田「私は何か成果物を作成する際に、単純作業は外注に依頼することで時間単価をあげるように努めております。」
Q7.自身の強みを強化するためにやっていることはありますか?
村上「SIerに長くいたのでITが強みですね。それを強化するために様々な情報をSNSなどで発信するようにしています。」
花畑「診断士の勉強、コンサル業務を通じて、商品をゼロから作る提案ができるところが強みです。単純な強化ではないですが、
ヒューマンスキルとしてコーチングを学んだことは講師業や社長へのヒアリングに役立っていますね。」
小田「私は強みはあまり意識しておりません。ただ逆に『面倒くさがり』という弱みを解消できるように、単純作業をマニュアル化して外注を使っております。」
■総括
今回の定例会では、三者三様の独立活動について、議事録として掲載できないような生々しい話も交えて聞くことができました。
参加した会員へのアンケートにおいても満足度が95%を超え、非常に有意義な会となりました。