中小企業政策研究会の受験生応援ブログも、いよいよ最終回となりました。トリを務める2年目会員の野間元太です。2次筆記試験に合格された方、おめでとうございます。口述試験に続いて、来年早々には実務補習が始まります。実務補習3回を修了することで正式に診断士としてのスタートを切ることができ、大きく視界が開けます。私の体験がご参考になれば幸いです。
【合格発表の思い出】
システム統合に伴う開発業務での苦闘をバネに、IT系難関資格を取得した四十代の幕開け。有資格者コミュニティに勇躍入会したところ、中心メンバーの多くが診断士であったことに興味を持ち、「行けばわかるさ」と2011年に勉強を開始。毎朝4時に起床し教材のDVDを1.5倍速で視聴する日が続きます。幸先よく1次試験を突破し2次筆記試験に臨みました。「合格しているだろう」と高をくくっていましたが、発表当日、私の受験番号はPC画面を何度探しても見つかりません。落ちた衝撃でしばらくは目も虚ろ、何も手に付きませんでした。
「2年目だから大丈夫だろう」という根拠のない楽観があった翌年は、出遅れて予備校の課題をこなすことに終始、アドバンテージを活かせずに終わりました。3年目は1次試験から出直しとなり、2次対策は8月からになってしまいました。不合格発表当日、自身のFacebookで「合格するまで諦めない」と再起を誓いました。
迎えた2014年12月。筆記試験合格を報告した先輩診断士から「粘り強さに脱帽」と声を掛けてもらえたのが嬉しかったです。同期合格者の集まりに参加して感じたのは、受験歴もストレート合格から多年度まで人それぞれであるということ。合格まで時間がかかっても、否、だからこそ猛烈な勢いで走り出している方が多いです。今年残念な結果だった方も、諦めずに挑戦を続けられることをお勧めします。
【苦しんだ実務補習】
口述試験後の2015年初頭に晴れて2次試験合格通知を手にしました。早速、実務補習を申込み、予備校の実務補習セミナーを受講、ノートPCを購入するなど準備を進めました。いよいよ1月下旬の実務補習初日、集合場所は同期合格者であふれかえっています。実務補習班のメンバーは二十代から五十代までの6人。ベテラン指導員のリードで役割分担を決め、打合せもそこそこに診断先メーカーの社長ヒアリングに向かいました。指導員から事前に送付される資料にはしっかり目を通し、自分なりに質問をまとめておかないと、何も聞けずに終わってしまいかねませんのでご注意を。
さて、しっかり準備をして臨んだつもりでしたが、工場見学後、夕方から始まったヒアリングでは女性社長の想いを怒涛のごとく聞かされ、「お説ごもっとも」という状態に陥りました。見かねた指導員から「“魔女”から一方的に説明されて、聞くべきことが何も聞けていないじゃないか!」と一喝され、ようやく魔法が解けました。知らず知らずのうちに“お客さま気分”があったのでしょうか。結局、社長ヒアリングが終わったのは午後9時近くなっていました。
雪の朝となった翌日。前日のヒアリング結果を踏まえてSWOT分析を行い、診断・提案の方向性を検討します。約100ページもの診断報告書を作成しますので、ここでしっかり方針を固めておかないと、次の集合日までに個人別の作業が進められません。私は、担当となった「財務」の執筆が遅々として進まず、PCに向かいながら夢うつつの日々が続きました。私が足を引っ張ったこともあり、最終日の午前中、報告会の直前まで修正に追われる綱渡りの展開でした。協会に診断報告書を提出した際、私が作成したレーダーチャートに指摘があったものの何とか受理され、初めての実務補習は終わりを告げました。
最速での登録を目指して15日間コースを選択する同期も多い中、私は2回目を8月に、3回目を2016年2月に受講。1回目の教訓が生きたのか、概ね順調に進められたと思います。遅筆は相変わらずでしたが・・・。
3回目の最終日には実務補習修了式があり、晴れて登録の運びとなります。勉強を始めてからの道のりが思い起こされ、胸にこみ上げるものがありました。
【政策研に入会】
1回目の実務補習を終えて間もない2015年3月。中小企業政策研究会の定例会を見学し即入会を決めます。興味深いテーマの定例会のみならず、10以上あるチーム活動も盛んなのが魅力で、いくつか顔を出しました。6月の定例会では向こう1年の定例会内容を決める企画コンペが行われますが、同期が何人もコンペに応募していてビックリしました。終了後の懇親会で勧誘されて運営サポーターに加わり、翌月には定例会の司会を担当。口述対策セミナーの企画・作問にも参画し、当日は面接官役を務めました。リアルさを追求するあまり「野間さん怖いです・・・」と言われてしまったのも良い(?)思い出です。
【新たな挑戦】
合格から2年目の2016年4月、診断士の「診る・聴く・話す」チカラを鍛える「取材の学校」に入校し、取材・執筆の基礎を学びました。7月には人生初となる取材を敢行、「企業診断ニュース」の特集記事となり、冊子を初めて手にした47回目の誕生日は忘れられません。
政策研では企画コンペにチャレンジしました。3月に人工知能が世界トップ棋士に勝利、5月には井山プロが七冠を独占するという囲碁界のビッグニュースが相次ぎ、小学生時代から囲碁を続けてきた“私ならでは”の企画を提供したい、という思いが湧き上がったのです。コンペの結果、定例会の枠を獲得し、翌7月には囲碁入門セミナーを実施、「囲碁×診断士」の可能性を伝えることができました。
こうして振り返ると、診断士になったからこその出会いに恵まれ、予想以上の世界が広がっていました。合格後、短期間ながら濃密な時間を過ごすことができていると感じます。
その世界の一角を占める政策研は、動けば動いただけのチャンスを得られる舞台だと思います。ぜひ、一緒に活動して行きましょう。お待ちしています!
野間 元太(のま げんた):
石川県金沢市出身。中小企業診断士・ITストラテジスト。
囲碁の高校日本代表となり中国に遠征。東京大学入学後にボディビルを始め、全日本学生4位。バブル末期に経済学部を卒業し都市銀行に入行、営業担当を経て事務部門で二度の銀行統合を経験。2014年中小企業診断士試験合格、2016年3月登録。企業診断ニュース2016年10月号「魔法の習慣8」で執筆デビューを飾った。現在、「酉年診断士会」の設立を企んでいる。
<所属>
中小企業政策研究会(所属チーム:事業承継研究会)
東京都中小企業診断士協会城北支部、致知・野村日記の会、囲碁同好会
日本ITストラテジスト協会、日本システムアドミニストレータ連絡会