第3回:試験前ラスト1週間をいかに過ごすか

はじめまして、中小企業政策研究会会員の小寺暁子です。

1週間後に迫ってきた2次筆記試験。いよいよ受験票も手元に届き、最後の週末は試験会場の下見に行かれる方も多いのではないでしょうか。緊張感の漂う時期ですね。

そこで今回は、ちょうど1年前を振り返り、私自身がラストスパートの1週間をどのように過ごしていたかについて書き綴りたいと思います。

・・・その前にまず、簡単に私の受験歴を紹介します。診断士試験を志したのは2010年1月。そこから1次試験に3年、2次試験に4年を費やし、丸6年かけて昨年ようやく合格することができました。昨年の2次試験は4度目の挑戦であり、1次の保険受験もしていませんでしたので、まさに「崖っぷち」状態での勝負でした。

そんな「崖っぷち」受験生のラスト1週間、さっそく見てみましょう。

①「仕事が忙しい」を言い訳にしない
先週お会いした受験生の方から「こういう時期に限って仕事が忙しくなってきた」というお話しを伺いました。確かに、勉強時間を十分にとって最後の総復習に打ち込みたいところですよね。
しかし、この期に及んで、ラスト1週間の勉強時間量は大した問題ではありません。思い返してください。読み込んできた過去問の数々、演習を通じて体感してきた80分間の数々、知識インプットのために汚してきたノートの数々・・・。そう、重要なのは、これまでに積み上げてきたトレーニングの量です。ここにさえ自信が持てるならば、目先の仕事量を嘆く必要はありません。限られた時間の中でベストを尽くす、それだけです。

②「技」よりも「心と体」を優先する
昨年の手帳を見てみると、ラスト1週間で3回もヨガに通っていたようです。我ながらハイペース(笑)。もちろん、試験前日にもレッスンに行き、長時間の着席勝負に備えて心身を整えていました。
実は、これは昨年ずっと心掛けていたことなのですが、机に向かって「技」を磨く時間以外に「心と体」を整える時間を取ることで、日常的に迫りくる試験への不安や焦りの気持ちを遮断し、意図的にリフレッシュしていたんですね。なので、超直前期であっても、これまでと同じように、いつも通りのことをやることで、「1年に1度の機会を、せっかくだから楽しもう」という前向きな気持ちで本番の日を迎えることができました。「心・技・体」のバランス、大事です。

③「試験が終わったらやりたいこと」を書き出す
試験が終われば、鞄が重くなる理由も飲み会を断る理由もなくなり、一気に生活が変わることでしょう。一方で、「何をしたらいいかわからない」と感じる方がいるかもしれません。私自身も1度目の2次試験終了後は手持無沙汰な日々を過ごし、終わった試験のことを思い出しては嫌な気分に沈んでいました。
そんな悲しい状況に陥らないためにも、「試験が終わったらやりたいこと」を書き出しておくことをお勧めします。「TDRに行く」「徒歩通勤をする」等々、何でも良いと思います。合格発表後は、受かっても落ちても、どうせまた忙しくなるのです。それを考えると、筆記試験終了後の約1ヵ月間は、診断士受験生ならではのゴールデンタイムだと思いませんか。貴重な期間を存分に楽しめるよう、こっそり準備をしておきましょう。これまで頑張ってきた自分へのご褒美です。

最後に、「崖っぷち」受験生が、本試験前夜に恩師に送った心意気を紹介します。
「頑張りますとは言いません。先生に教わった、中小企業診断士として試されている力を、解答用紙に想いを込めてぶつけてきたいと思います。できることだけ知覚してやります。」

・・・いかがでしたでしょうか。
緊張感漂うラスト1週間を、楽しくリラックスしながら力強く乗り切る際の一助になれば幸いです。

残り1週間、みなさまのご健闘を心よりお祈り申し上げます。

小寺暁子

小寺 暁子(こでら あきこ)
1980年生まれ・福井県出身。一橋大学社会学部卒。大学では家族社会学・ジェンダーを学ぶ。大学卒業後、福利厚生代行会社の㈱ベネフィット・ワンに入社。業務設計やオペレーション業務に携わった後、2007年より経営企画室で予算策定や原価計算、IR、BPRなどに従事。2015年中小企業診断士試験合格、2016年7月登録。