2016年3月度の定例会についてご報告致します。
3月度の定例会は中小企業政策研究会会員の小田恭央さんの企画として、国内大手クラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING by T-SITE」を運営する株式会社ワンモア 代表取締役CEO 沼田健彦さんをお招きし、「クラウドファンディングで1000万円資金調達」というテーマで講演頂きました。本定例会は2部構成となり、後半は、小田会員から、資金調達をする側の視点で講演いただきました。
沼田さんからは経歴をご紹介いただき、2004年に電通に入社し、航空会社を中心に様々な協賛をとる仕事をされていたこと、企業協賛は1万人の集客規模が必要となる一方、当時注目されていた「ロングテール」の発想を応用し、企業協賛でカバーできない小さな協賛をインターネットを活用して集める方法があるのではないかと漠然と感じていたこと、その後、サッカーボールを作るものづくりのベンチャー企業を経て、「GREEN FUNDING」を立ち上げたこと、「クラウドファンディングに託される個人のお金には思いが載っている。フレッシュなお金として『グリーン』をイメージした」事などを語られました。
「金融型・投資型」「寄付型」「購入型」などクラウドファンディングの類型の説明をされた後、「GREEN FUNDING by T-SITE」は「購入型」を中心とし、直営サイトとフランチャイズパートナーが運営するサイトで構成される「モール型」プラットフォームとしてビジネスを設計されている点、手数料の根拠、企画の選別方法、株主であるCCC(TSUTAYA)グループとの連携、事例の紹介をしていただきました。将来的にはTポイントのデータベースを活用し、AIレコメンドエンジンの搭載やポイントを使った新しい形のクラウドファンディングをつくっていきたいなど、展望を持っているとのことでした。また、クラウドファンディングの成功の分け目が参加者の「熱量」であるとの事です。
後半の小田会員の講演では、学術的な視点でばかりの本が多い中で、実践的な視点で「クラウドファンディングで資金調達」(あさ出版)を出版した事、「東北ずん子」というキャラで日本のクラウドファンディングの黎明期から資金調達を開始し、延べ1000万円以上の資金を調達した事、「リワード」設定のノウハウとその失敗談(売れると考えていなかった上限設定が売れて逆に困った話)、初速について等、実践的な経験を経て蓄積されたノウハウをご紹介いただきました。如何に「熱量」…つまり、冷静にならない状態を作るかが、クラウドファンディングの成功の分かれ目であるとの点が沼田さんのお話と共通し、非常に興味深いものでした。
また、資金調達の手法が、銀行借入→ベンチャーキャピタル→クラウドファンディングと流れてきており、今後クラウドファンディングが資金調達の主流になる可能性が高いとのお話でした。
最後に、質問事項に対して、沼田さん、小田会員の豊富な経験を踏まえて丁寧なご回答を頂きました。時代の先端を感じさせるお話が多く、会員にとって非常に実りのある定例会となりました。
【今後の定例会日程】詳細は後日掲載いたします。
4月度定例会 4月12日(火)19:00~21:00予定
テーマ名:素敵!といわれる話し方になれる秘訣
以上