2014年11月度の定例会についてご報告致します。
第1部:講演
テーマ「地方における事業再生~プロスポーツチームの事例から~」
スポーツが実現する、地方と中小企業の活性化
講 師 プロバスケットボールbjリーグ 株式会社ファイブアローズ代表取締役社長兼GM 星島 郁洋氏(元、経産省官僚)
初めにbjリーグが発足時6チームから2014年22チームにまで発展した状況や約半数のチームが黒字化している現状、自己破産しながらも復活した高松ファイブアローズのこれまでを紹介頂きました。
社長に就任した経緯は「米国留学で多くのベンチャー企業を見たことで、ベンチャー振興への強い思いとなった。帰国後、国の施策という面から関わってきたが、自らリスクテイクする事の大切さや新しい国づくりへの思いがあった。また、バスケットボールの持つ圧倒的な魅力と、文化・産業としての巨大な可能性を感じた」との話しがあり、スポーツ産業として見た場合でも、Jリーグが日本の新たな文化として定着したように、bjリーグと日本バスケにおいても同じ成功を実現するとの熱い思いが語られました。
次に、球団再生のポイントとしては「チームコンセプトの明確化」「核となる存在の確立」「チーム規律の徹底」を掲げ、一部のスター選手に依存するのではなく、組織として強化したことが要因であるとのことでした。
また、収益向上のポイントは、「コア商品としてチーム価値向上の追求」例えば、資金のない中でチームを創る工夫をした上で、反対に「コア商品の価値に依存しないエンジンの成長」例えば、スクール事業等も進めたとの説明がありました。
最後に、星島氏のビジョンとして「日本最強・世界に挑戦するチーム」「バスケ王国「瀬戸内」」「日本の「三大スポーツ」へ」が説明されました。
本講演では星島氏の熱い思いに、参加者全員が刺激を受けたと共に、再生や収益向上のポイントは中小企業とも共通する部分もあり、多くの気付きを得る事ができました。
第2部
事業再生に関する最近の動向(岩本組 加藤元弘会員より)
初めに、経営改善計画策定支援事業の制度主旨や概要について簡単に解説して頂き、その上で、現状は2014年10月末時点で4,400件弱とあまり利用されておらず、理由としては①全金融機関同意が必須であり、行動計画に基づいた根拠のある数値計画が必要であること②金融機関単独や他の士業だけでは策定は難しく専門家が不足していることが挙げられるとの話がありました。
まとめとして、再生現場における中小企業診断への期待はますます高まっており、机上の理屈ではなく、現場で活用できるノウハウを身につける必要があるとのご説明を頂きました。