事業再生研究会では、中小企業支援に欠かせない再生支援に役立つコンサルタントを輩出することを目的に、最新の情報・スキルを研究する活動をしています。メンバーには、診断士だけでなく、弁護士・司法書士・会計士・税理士・弁理士・社労士が参加しています。
今回の発表内容は、雑誌連載のストーリーに即しながら、中小企業金融円滑化法終了後を見据えて、金融機関を協力者として捉える必要性、中小企業再生支援協議会などの公的機関の体制と活用にあたってのポイント、弁護士からの債務整理の具体的な注意点と事業再生へのつなげ方、司法書士からの自宅不動産や家族を守るための具体的手法の紹介など、多面的に事業再生の実際を扱うものでした。
まとめとして、事業再生に様々な士業が正しいアプローチで取り組むことで、関係者にとってより実りある再生が可能であること、一方で、コンサルタントして関わる場合に法的に留意すべき点も多いこと、また、今後多くの企業倒産が想定される中で外部支援を受けての事業再生がまだまだ少ないこと、などが指摘されました。
発表者からは、実家の廃業を経験したことから専門家となり、支援に関わってきたという経緯などのお話もありました。全体として、中小企業が直面する最も困難な課題について、最新の知見に基づいた真摯な立場からの発表となり、とても充実した定例会となりました。
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